更新日:2024.12.06
目次
クラウドサービスの導入を検討しているものの、AzureとAWSのどちらを選ぶべきか迷っていませんか?
本記事では、そんな悩みをお持ちの企業担当者やIT責任者の方に向けて、AzureとAWSを様々な角度から徹底的に比較していきます。それぞれのサービスの特徴やメリット・デメリットを理解した上で、自社のビジネスニーズに最適なクラウドサービスを選択しましょう。
クラウドサービスを比較検討する前に、まずはクラウドサービスそのものについて理解を深めていきましょう。 クラウドコンピューティングの基本や、ビジネスにおけるクラウドの役割、メリットなどを解説します。
クラウドコンピューティングとは、インターネットを通じてサーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェアなどのコンピューティングリソースをオンデマンドで提供するサービスです。
従来のオンプレミス環境とは異なり、自社で物理的なサーバーやネットワーク機器などを用意する必要がなく、必要な時に必要な分だけリソースを利用できるため、柔軟性・拡張性に優れている点が特徴です。
現代のビジネスにおいて、クラウドは必要不可欠な存在になりつつあります。その理由は、以下のようなメリットがあるためです。
クラウドサービスは、利用したリソース量に応じて料金が発生する従量課金制を採用しているケースが多いです。そのため、初期費用を抑えられ、無駄なコストを削減できる点が大きなメリットです。
また、使った分だけ支払えば良いので、予算管理もしやすくなります。
クラウドサービスは、従来型のオンプレミス環境と比較して、コスト削減、柔軟性・拡張性、俊敏性、セキュリティ面で多くのメリットを提供します。
それでは、クラウドサービスの代表格であるAzureとAWSについて、それぞれのサービス概要を見ていきましょう。
Microsoft Azureは、マイクロソフトが提供するパブリッククラウドサービスです。Windows ServerやOffice 365との親和性の高さが強みであり、.NETなどのマイクロソフト製品との連携もスムーズに行えます。エンタープライズ向けのサービスが充実している点も特徴です。
Amazon Web Services (AWS) は、Amazon.com が提供する世界最大規模のパブリッククラウドサービスです。豊富なサービスラインナップ、高い信頼性、低価格な料金体系が魅力です。オープンソースソフトウェアとの親和性も高く、スタートアップから大企業まで幅広いユーザーに支持されています。
Azure、AWSともに豊富なサービスを提供していますが、それぞれ強みとする領域が異なります。 自社のシステム構成や開発環境を考慮して、最適なサービスを選びましょう。
AzureとAWSを比較する上で重要なポイントは、セキュリティ、料金、サポート体制です。 この章では、それぞれの項目について詳しく比較していきます。
Azureは、マイクロソフトのセキュリティの知見を活かした堅牢なセキュリティ機能を提供しています。Azure Security Centerは、セキュリティの脅威を検知し、対応策を推奨する統合セキュリティ管理サービスです。
AWSは、セキュリティを顧客の責任とする「Shared Responsibility Model」を採用しており、顧客はAWSのセキュリティ機能を活用しながら、自社のセキュリティ対策を講じる必要があります。AWS WAFは、Webアプリケーションへの攻撃を防御するサービスです。
AzureとAWSは、いずれも従量課金制を採用していますが、料金体系はサービスごとに異なります。詳細な料金は、各社のWebサイトで確認することをおすすめします。
一般的に、AzureはWindows Serverや.NETなどのマイクロソフト製品を割引価格で利用できる点がメリットです。一方、AWSはスポットインスタンスなど、より柔軟な料金プランが用意されている点がメリットです。
AzureとAWSは、いずれも無料と有料のサポートプランを提供しています。無料プランでは、ドキュメントやコミュニティフォーラムによるサポートが受けられます。有料プランでは、電話やメールによるテクニカルサポートが受けられます。
セキュリティ、料金、サポート体制については、どちらも充実したサービスを提供していますが、それぞれ特徴があります。 自社の要件に合わせて、最適なサービスを選択しましょう。
最後に、クラウド導入を成功させるための考慮点と、複数のクラウドサービスを組み合わせるマルチクラウドアプローチについて解説します。
クラウド導入を成功させるには、事前の綿密な計画と十分な準備が不可欠です。このプロセスでは、事業目標や運用環境に基づいた適切な意思決定が求められます。特に、以下の4つの要因を重点的に考慮する必要があります。
クラウド導入を検討する際、まず組織が抱えるビジネス上の課題を洗い出し、導入によってどのような改善や価値の創出を目指すのかを明確にすることが重要です。
たとえば、業務の効率化、迅速な市場対応、コスト削減、新たなビジネスモデルの構築など、具体的な目標を設定することで、クラウドの導入効果を最大化できます。この段階での明確な方向性が、その後の計画や意思決定の基盤となります。
自社の現状のITインフラやアプリケーション環境を詳細に分析し、クラウド移行が適切かどうかを判断します。ここでは、既存のハードウェアやソフトウェア、ネットワーク構成、利用中のアプリケーションの互換性、さらには現在の運用体制やスキルセットを確認します。
また、移行によるリスクや制約事項(レガシーシステムの存在、依存関係など)も考慮し、移行プロセスを設計する際の課題を洗い出します。
クラウド導入に伴うコストの影響を事前に正確に試算することは重要です。クラウド利用によって、初期投資の削減や運用コストの最適化が期待される一方で、課金モデル(オンデマンド、リザーブドインスタンスなど)やデータ転送コスト、運用保守の費用が発生します。
こうした要素を考慮に入れ、オンプレミスとクラウドの総コストを比較することで、導入の費用対効果を具体的に評価することが求められます。
クラウド環境におけるセキュリティリスクを適切に管理するための計画を立てる必要があります。特に、データの暗号化、アクセス制御、脅威検知、監査ログの管理などを考慮し、クラウド事業者のセキュリティ対策が自社の要件を満たしているかを確認することが重要です。
また、コンプライアンスや規制要件に適合していることを確認し、クラウド環境におけるデータ保護方針を策定します。こうした対策を講じることで、導入後のリスクを最小限に抑えます。
マルチクラウドとは、複数のクラウドサービスプロバイダーが提供する異なるクラウド環境を組み合わせて利用する戦略を指します。このアプローチには、以下のような多くの利点があり、企業がより柔軟かつ効率的にクラウド環境を活用するための重要な選択肢となります。
このように、マルチクラウドアプローチは、リスク管理、柔軟性、効率性、コンプライアンス対応など、さまざまな面でメリットをもたらします。一方で、運用の複雑性や管理コストの増加といった課題もあるため、事前に戦略をしっかりと立てることが成功の鍵となります。
AzureとAWSは、どちらも高性能なクラウドサービスであり、どちらを選択するかは、ビジネスニーズ、既存システムとの親和性、コストなどを総合的に判断する必要があります。本記事が、最適なクラウドサービスを選択する上での参考になれば幸いです。
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